仮想通貨のRevoke(リボーク)とは?意味やメタマスクにおける重要性とやり方を解説!
仮想通貨のRevokeの意味とは?
仮想通貨のRevokeとは、メタマスク操作権限の取り消しのことです。メタマスクを使ってトークンや仮想通貨を送受信・管理していると、さまざまな場面で「Approve(承認)」を押しているはず。Approveにより、トークンや仮想通貨の送付許可をサービス側に与えています。
しかし、Approveを押してそのまま放置していると、サービス側が勝手にトークンや仮想通貨、NFTを送信できてしまうのです。通常のサービスであれば、ユーザーの意図しない操作を行うことはありません。一定期間操作が行われずにいるとApproveが自動的に解除されるサービスもあります。
ただし、詐欺サイトを知らずに利用しApproveしたまま放置していると、いつの間にかトークンや仮想通貨が消えてしまうことも。詐欺サイトや悪意ある第三者から仮想通貨・NFT、個人情報を守るために行うのがRevokeです。
metamaskのRevokeのやり方
Revokeのやり方は主に以下の2つです。
- Revoke.cashを使う方法
- scanを使う方法
それぞれの方法について紹介していきますね。
1. Revoke.cashを使う方法
Revokeを行う方法の1つは、Revoke.cashを使うものです。Revoke.cashは知名度の高い複数のチェーンに対応しており、使いやすいRevokeの方法といえます。活用方法などの情報も多いため、おすすめです。
最初に Revoke.cash にアクセスしましょう。
「開始する」もしくは「ウォレットを接続する」をクリックすると、接続できる選択肢がいくつか表示されます。
自分が利用しているウォレットを選んで接続します。すると、今使用しているウォレットを使ってどのWebサイトでApproveしているのか、トークンや仮想通貨の取引をしているのかが表示されるでしょう。
不審なWebサイトにアクセスした記憶がなければとくに問題ありませんが、中には怪しいWebサイトで仮想通貨やNTFの送受信を承認している恐れがあります。右側にある「Revoke」をクリックして情報を確認し、Approveを取り消しましょう。
2. scanを使う方法
Revokeを行う別の方法は、各チェーンのscanを使うものです。いくつものscanがありますが、以下に例を記載しますね。
どのscanも基本的な操作方法は同じです。必要な情報を入力し、ウォレットを接続したあと、Approveされた操作を表示し、Revokeをクリックします。実行したトランザクションやトークンのやり取り、Approveされた操作を再度確認し、きちんとRevokeされているか確認しましょう。
例としてEtherscanを考えましょう。Ethereumにアクセスすると「Ethereum Token Approval」の下にメタマスクのアドレスを入力する場所がでてきます。
メタマスクのアドレスを入力し、下の「Connect to Web3」をクリックもしくはタップすると、メタマスクにアクセスできます。表示されるアプリケーションの中から、Revokeしたいものを選べば完了です。念のため、トランザクションが成功しているかを確認しましょう。
Revokeすべきタイミングは?シチュエーション5選
Revokeが必要になるシチュエーションは主に以下の5つです。
- サービスが終了した
- 知名度の低いサービスで承認してしまった
- 運営開始直後のサービスで承認してしまった
- コミュニティが活発でないサービスを利用している
- 接続したサービスのURLがおかしい
それぞれのケースについて詳しく説明しますね。
1. サービスが終了した
使用していたサービスが終了した場合には、Approveを取り消すRevokeが必要です。サービスは終了しているのだから放っておいても問題ないと考える方もいますが、実はそうではありません。
サービスが終了すると、システムの管理やメンテナンスは行われなくなります。結果としてハッキングされる、プログラムが悪用される、カード情報が漏れるなどの現象が起こり得るのです。
Revokeしておかないと、終了したサービスを介していつの間にかトークンや仮想通貨が盗まれていることになりかねません。
2. 知名度の低いサービスで承認してしまった
知名度の低いサービスを利用し、Approveしてしまったケースでも、Revokeするのが望ましいでしょう。知名度の低いサービスの中には、悪意のある人物やグループが仮想通貨やトークンを盗む目的で作ったものが少なくありません。
あまり知られていないサービスは、そもそも利用しない、Approveしないのがおすすめです。万が一Approveしてしまった場合、被害に遭う前に積極的にRevokeを行ってデジタル資産を守りましょう。
3. 運営開始直後のサービスで承認してしまった
知名度の低いサービスと似ていますが、運営開始直後のサービスでApproveした場合にも、Revokeを検討しましょう。運営開始直後のサービスがすべて詐欺サイトであるわけではありませんが、システムにバグが発生したりセキュリティが脆弱な部分があったりします。
セキュリティが強固になる前からApproveしてしまうと、悪意のある第三者から攻撃を受け、個人情報が漏れる恐れがあるでしょう。新しいNFTや仮想通貨を取引したい場合には、ApproveとRevokeを頻繁に活用して身を守ることが重要です。
4. コミュニティが活発でないサービスを利用している
仮想通貨やNFTのコミュニティが活発でないサービスを利用した場合にも、Revokeを活用しましょう。コミュニティが活発でないことは、開発チームや管理者が仮想通貨やNFTの開発に積極的でない証拠の1つです。
コミュニティが活発でないサービスは、システムの更新やメンテナンスがしっかり行われていない恐れがあります。脆弱性を突かれてハッキングの被害に遭うこともあるため、Revokeしてウォレットを守りましょう。
5. 接続したサービスのURLがおかしい
サービスを利用してApproveしたものの、URLがおかしいことに気づいたなら、すぐにRevokeするべきです。悪意を持って作られたWebサイトの中には、実在する仮想通貨サービスを似せて作った詐欺サイトが存在します。注意しないと、詐欺サイトにアクセスしてApproveしてしまうことがあるのです。
特定の仮想通貨やトークンに対する1回限りのApproveであり、その仮想通貨をもう利用しないのであればRevokeは不要ですが、怪しいWebサイトだと感じたならRevokeしておくのが賢い方法ですね。
metamaskにおけるRevoke実施の注意点3つ
Revokeを行う際には、以下の3つの注意点を覚えておきましょう。
- Revokeにはガス代がかかる
- Revokeの際に権限をすべて削除する
- RevokeとWebサイトの切断は異なる
一つずつ詳しく説明しますね。
1. Revokeにはガス代がかかる
Revokeには、毎回ガス代がかかります。ガス代は手数料のことで、ネットワークの混雑具合によって価格が変化します。Revokeを行うたびにガス代がかかるため、思ったよりも費用がかさむことがあり得るのです。
ガス代は、チェーンごとにチェックすることが可能。Revokeを行う前にガス代を確認し、費用を最小限に抑えましょう。ウォレットに必要なガス代が入っていないと、Revokeができない点にも注意が必要です。
2. Revokeの際に権限をすべて削除する
Revokeする際、すべての権限を削除することが重要なポイントです。仮想通貨の取引では接続・署名・承認などの権限があります。接続や署名の権限は第三者が操作できるようになっても大きなトラブルになる可能性は低いでしょう。
しかし、Revokeする際にはApproveだけでなくすべての権限を削除すべきです。自分のウォレット情報が閲覧される、資産を操作されるリスクを最小限に抑えるため、賢くRevokeを活用しましょう。
3. RevokeとWebサイトの切断は異なる
Revokeを行う際、Webサイトとの接続の切断とは大きく異なることを覚えておかなければなりません。Webサイトとの接続を解除もしくは切断すると、各サイトと接続した際の許可が削除されます。たとえば、仮想通貨取引所Aとの接続を解除すると、Aに接続したときの許可は削除されるのです。
一方、Revokeはウォレット側が承認した取引を解除する点で異なります。Aに接続していなくても、一度承認したコントラクトは引き続き有効である可能性があるのです。必ずRevokeを行い、意図しない操作が行われないようにしましょう。
まとめ:Revokeを上手に使ってメタマスクを守ろう
Revokeは仮想通貨やNFT、トークンを守るために不可欠の操作です。とくに、Revokeが必要となるケースについて紹介しました。
- サービスが終了した
- 知名度の低いサービスで承認してしまった
- 運営開始直後のサービスで承認してしまった
- コミュニティが活発でないサービスを利用している
- 接続したサービスのURLがおかしい
Revokeにはガス代がかかるものの、詐欺・盗難被害に遭ってしまうリスクを考慮すれば必要な支出と考えられるでしょう。デジタル資産を守るために、怪しいと感じたら迷わずRevokeを実施することが非常に重要なのです。